切迫性尿失禁の原因と症状 | 急な強い尿意による尿漏れ

切迫性尿失禁の原因と症状 | 急な強い尿意による尿漏れ

切迫性尿失禁の原因と症状 | 急な強い尿意による尿漏れ

一口に尿漏れ(尿失禁)と言っても、尿漏れには様々な種類があります。

中でも、突然強い尿意(尿意切迫感)に襲われて、トイレに間に合わずに漏らしてしまう症状を「切迫性尿失禁(せっぱくせいにょうしっきん)」といいます。

切迫性尿失禁の事例

Sさん(30才、男性)は、普段から軽い切迫性尿失禁を自覚していました。

ある日、会社にいる時に仕事の都合でいつもより我慢してトイレに行ったのですが、トイレの前に立った途端、つい5秒ほど漏らしてしまったそうです。

ズボンまでグッショリ濡れてしまったSさんは矢も楯もたまらずにタクシーで帰宅し、後から電話で急な体調不良で帰ったことを上司に伝えました。けれども上司から、「大事な仕事があったのに、なぜ一言断ってから帰らなかったのか」と言われ、会社の居心地が悪くなってしまったそうです。

主婦のNさん(58才、女性)は、3年ほど前からおしっこが近くなり、たまに我慢できないような強い尿意に襲われて尿漏れをするようになりました。

尿漏れが心配なために、トイレに1時間に1回は通わないと気が済まない状態になってしまい、友人と旅行に行ったり、映画を観ることもままならなくなってしまったそうです。


このように、切迫性尿失禁はひとつ間違うと仕事や人間関係にも大きな支障をきたすことがある、辛い症状です。
切迫性尿失禁による頻尿・尿漏れ

切迫性尿失禁の原因

切迫性尿失禁は、自分の意志に反して勝手に膀胱が収縮してしまう「過活動膀胱」が主な原因です。過活動膀胱の症状は、我慢できないような強い尿意である尿意切迫感と、昼夜を問わない頻尿です。

過活動膀胱で起こる尿意は、“突然”であることと、いったんそれが起こると我慢する余裕がないというのが特徴です。冷たい水に触ったり、水の流れる音を聞いただけでおしっこを連想して強い尿意を感じるという人も多く、中には、帰宅して家のドアノブを握ると強い尿意を感じるという人もいます。
切迫性尿失禁の原因と症状

そして、トイレに行く途中や、トイレで準備をするまでに、尿が漏れてしまうのが切迫性尿失禁です。切迫性尿失禁は、腹圧がかかった時に尿が漏れる「腹圧性尿失禁」と区別されていますが、実際は、切迫と腹圧の2つの要因が重なって失禁に至ることもあり、「混合性尿失禁」と呼ばれます。

過活動膀胱の人はとても多く、日本では40才以上の男女のうち8人に1人は過活動膀胱の症状があり、その約半数に切迫性尿失禁の症状があると報告されています(「日本排尿機能学会会誌:14」による)。近年40才以下でも、過活動膀胱の症状に悩まされている人が大変多くなってきています。

過活動膀胱の原因

女性が過活動膀胱になる最も多い原因は、骨盤底筋群や骨盤底を構成する靱帯が弱まる「骨盤底障害」です。

膀胱と尿道を支えている骨盤底筋や靱帯がたるむと、膀胱の底にある副交感神経の末端が、膀胱に尿が十分に溜まらないうちから活性化してしまい、突然強い尿意が出るようになるのです。

女性は若い時は妊娠・出産で、また、更年期以降は老化と女性ホルモン低下の影響で骨盤底障害になりやすいので、男性よりも多くの患者がいます。
男性の場合も、老化や運動不足で骨盤底筋や括約筋が衰えることによって過活動膀胱になることがあります。

また、男女ともに、神経のトラブルによる過活動膀胱も増えています。近年、今まで原因不明だった過活動膀胱は、ストレスによる自律神経の乱れが原因と言われてきています。飲酒や老化によって起きる脳や脊髄の機能低下も原因となります。

悩まずに受診しましょう

切迫性尿失禁は、適切な薬物治療や運動によって、ほとんどが治ります。

病院に行かず、尿パッドをあてて当面はやりすごしていても、いずれ仕事や人間関係に影響するような失敗があるかもしれません。

泌尿器科には同じような悩みの方が多く受診してきます。悩んでいるのは一人ではありません。ぜひ泌尿器科を受診して、適切な対策をとるようにしましょう。