機能性尿失禁の原因と症状 | 認知症・運動機能障害などによる尿漏れ

機能性尿失禁の原因と症状 | 認知症・運動機能障害などによる尿漏れ

機能性尿失禁の原因と症状 | 認知症・運動機能障害などによる尿漏れ

“おもらし”というと、膀胱や尿道など、泌尿器周りの原因で起こることが多いのはもちろんですが、排尿に関係する器官に問題がなくても尿漏れは起こります。

膀胱や尿道に問題がなくても、他の心身の障害によってトイレでおしっこをすることができずに尿漏れしてしまうことを、「機能性尿失禁」といいます。

機能性尿失禁

機能性尿失禁には、大きく分けると以下の2種類の原因があります。

1.運動機能の低下による尿漏れ

これは、事故や脳出血、関節リューマチによる神経の損傷や手足の麻痺などが原因で、尿意が分からない、トイレに行くのに時間がかかる、トイレに行っても下着を下ろすのに時間がかかるなどで起きる尿漏れです。

2.認知機能の低下による尿漏れ

アルツハイマー型に代表される認知症や脳出血による脳血管性認知症が原因で、トイレに行きたがらない、トイレの場所が分からない、トイレでどうやってよいのか分からないなどで起きる尿漏れです。

認知症による機能性尿失禁の症状

それでは、以下でさまざまな機能性尿失禁の事例をご紹介しましょう。

運動機能の低下による尿失禁の事例

事例1

Aさん(75才・女性)は、関節リューマチで膝に痛みがあり、トイレまで歩いて行くのが困難です。日中はなんとか間に合うのですが、夜間はトイレにたどり着く前に漏らすようになってきました。

トイレの前に立った状態で尿を漏らしてしまうことが度々あり、転倒の危険もあるため、夜間はベッドの横にポータブルトイレを設置して済ませています。

事例2

Bさん(82才、男性)は、脳溢血の後遺症で右手右足に麻痺があり、トイレまではつたい歩きができますが時間がかかります。

また、トイレに着いても準備までに時間がかかるので、失禁をしても衣類を汚さないように、紙おむつを着けて過ごしています。

事例3

Cさん(21才、男性)はオートバイの事故による脊髄損傷のため、車いすで生活しています。

Cさんの場合、膀胱排尿筋の緊張が低下し、尿を押し出すのに十分な力がありません。膀胱は大きくなり括約筋が緩んでいるために、腹圧がかかると失禁しやすくなっています。

そのため、水分摂取とトイレに行く時間をうまく調節して、尿失禁にならないようにコントロールしています。トイレでは導尿カテーテルで自己導尿をしています。

事例4

Dさん(76才・男性)はパーキンソン病で手足の震えがあり、動作が緩慢です。また、前立腺肥大症による頻尿もあるために、尿意があってからトイレまで間に合わずに尿失禁をするようになりました。

日中は家族が気をつけて手伝うようにしていますが、夜はオムツでしています。

認知機能の低下による尿失禁の事例

事例1

Fさん(83才・男性)は、中度のアルツハイマー型認知症です。大抵はちゃんと一人でトイレに行きますが、時々トイレがどこなのかわからなくなってしまい、間に合わずに失禁してしまいます。

尿を垂らしながら部屋を歩いたりするので、家族はとても大変です。そこで、早めにトイレに誘うようにして少し改善したそうです。

事例2

Gさん(80才・女性)はアルツハイマー型認知症で、以前から尿失禁をしていましたが、最近は自分からトイレに行こうとしなくなり、オムツに排尿しています。

けれども、介護者がオムツ交換をしようとしても「もうやった」と言ってなかなかさせてくれず、お尻がただれてきて困っています。

機能性尿失禁の対応

機能性尿失禁は、原因も症状も様々だということがお分かりになると思います。

膀胱や尿道といった泌尿器関係の疾患ではないので、それぞれの原因となっている病気や障害と向き合いながら、介護環境も視野に入れて排泄全体のケアを考えていきましょう。