過活動膀胱と尿漏れ(尿失禁) | 急な尿意切迫感の原因と治療法

過活動膀胱と尿漏れ(尿失禁) | 急な尿意切迫感の原因と治療法

過活動膀胱と尿漏れ(尿失禁) | 急な尿意切迫感の原因と治療法

ファミリーレストランで接客のパートをしているAさん(45才、女性)は、ちょくちょく我慢できないような強い尿意を感じてトイレに駆け込みます。そこで、いつも休憩時間には必ず尿意がなくてもトイレを済ませて予防していました。

ところがある日、全然お客さんが途切れなかったためにトイレのタイミングがずれてしまったのです。突然強い尿意におそわれて「来た!」と思ってトイレに駆け込んだAさんでしたが、下着をおろすのに間に合わず漏らしてしまいました。

幸い厚手の尿とりパッドをつけていたので事なきをえましたが、もうちょっとおしっこの量が多かったらどうなっていたことかと、冷や汗が出る思いだったそうです。

過活動膀胱による尿意切迫感と尿漏れ

Aさんのように、いつ襲ってくるか分からない強い尿意切迫感に悩む方が泌尿器科を訪れることが多くなっています。

今回は、そうした急な尿意を引き起こす過活動膀胱の原因と治療法についてまとめます。

過活動膀胱

「過活動膀胱」とは、膀胱に尿が十分溜まっていないのに膀胱が過剰に収縮する病気です。比較的新しい病名ですが、国内における推定患者数は約 810万人にのぼるといわれています。

突然我慢できないような強い尿意を感じてトイレに行く「尿意切迫感」、トイレが近い「頻尿」が主な症状です。

普通の頻尿と違うのは、自分の意志とは関係なく膀胱が収縮するために、我慢が効かず尿漏れ(切迫性尿失禁)が起こりやすく、社会生活に影響を及ぼす度合いが高いことです。

過活動膀胱の原因

過活動膀胱の原因は、加齢による神経機能や骨盤底筋力の低下、前立腺肥大症膀胱炎、冷え、脳や脊髄の障害、心因性など、さまざまなものがあり、いくつかが重なっていることもあれば、検査では何の異常も見つからない場合もあります。

また、水分の摂り過ぎや前立腺肥大症や膀胱炎で頻尿になると、膀胱に十分尿が溜まるということが少なくなるために過活動膀胱になっていくのではないかという説もあります。

いずれにしても、膀胱に「十分尿を溜める機能に障害が起きている」ということです。

過活動膀胱の治療法

それでは、過活動膀胱の治療法とはどういったものがあるのでしょうか?

病院で過活動膀胱と診断されると、異常な膀胱収縮を抑制する「抗コリン薬」を処方されるのが一般的です。ただし、前立腺肥大症で「α1遮断薬」を服用している人の場合、抗コリン薬との併用が尿閉を引き起こすことがあるため注意が必要です。

過活動膀胱による尿漏れの治療方法

また、膀胱に十分尿を溜める機能を回復するために、「膀胱訓練」を行います。「膀胱訓練」とは、尿意を感じた時にすぐにトイレで排尿をせずに我慢をすることで、少しずつ膀胱に尿を溜められるようにしていく訓練です。最初は3分間我慢することから始め、次第に5分間、10分間と間隔を長くしていきます。

また、女性は骨盤底筋の衰えが切迫性尿失禁の原因になっている場合が多いので、膀胱訓練と同時に「骨盤底筋体操」を行うこともあります。

早めの対策を

上述のような治療法を実践することで、ほとんどの過活動膀胱は改善されます。なかなか完治には至らないことも多いのですが、軽症であれば尿とりパッド尿漏れパンツを上手に活用することで、日常生活を支障なく送ることが出来ます。

いつ尿意切迫感に襲われるかとビクビクしながら暮らすことはありません。早めに適切な治療法を実践し、不安のない生活を取り戻しましょう。